教育普及

愛媛大学が総合博物館の開設を準備中

大学が附属博物館を設置するのは近年の傾向ですが、愛媛大学でも総合博物館の開設準備が進んでいると愛媛新聞社が報じています。2009年11月にオープン予定とのこと。共通教育棟の一部にミュージアムが誕生するそうです。
愛媛大学は一般の人に研究内容や成果を知ってもらうため、松山市文京町の構内に総合博物館「愛媛大学ミュージアム」(館長・野倉嗣紀副学長)の開設準備を進めている。11月オープン予定。 学芸員は配置せず、各教員らが専門分野の展示を担当。博物館法で規定する博物館相当施設として文部科学省に申請する方針。同大によると、鉄筋3階建ての共通教育棟を、3月までに共同利用施設「愛大MUSE」に改修。1階の一部延べ1063平方メートルを同ミュージアムに充てる。 宇宙と地球の進化▽愛媛大学と愛媛の歴史▽生命の多様性▽人間の営み▽企画特別展―の5ゾーンに分け展示する。
愛媛新聞社ONLINE

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ipodによる音声ガイドのトライアル実施...横浜美術館

横浜美術館と城西国際大学メディア学部が連携し、2009年度からiPod touchを使った新しいタイプの音声ガイドをスタートする。それに先立ち、2月24日(火)と28日(土)にトライアル(無料体験)を実施する。

作品画像をタッチすると、作品や作家についての解説をきけるということらしい。これまでも独自開発端末や携帯電話での音声ガイド、そしてもちろんipodを使っての音声ガイドはすでに実施されている。費用もかかる独自端末の導入よりは、携帯電話、ipodを念頭に開発を進めるほうが賢い。ipodだとitunesのappstoreに無料アプリを公開すれば多くの人の目に触れる(ただしtouch、iphoneの普及率はそう高くなさそう)わけだし、なにより独自で開発から普及、宣伝までの全て自前で担わなくてすむ。ipodであれば筐体、UIのデザインも洗練されているぶん、ユーザビリティも高まるはずだ。

城西国際大学で開発されたアプリケーションに何か目新しい特徴があることを期待。今回のトライアルは無理なので、来年度、試しに行きます。(トライアルというかユーザビリティ実験なのか?)

城西国際大学の音声ガイド紹介ページ

日時:2009年2月24日(火)・28日(土)13:00〜17:00(受付は16:30まで)
横浜美術館コレクション展 第3期 展示室1「特別展示:片岡球子」
※コレクション展観覧料が必要。

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佐世保の新美術館の基本理念まとまるが協議継続

公募型プロポーザルにより丹青研究所を選出し、既存の島瀬美術センターとのすみ分けの整理や立地場所を含む基本構想案を検討・策定していた佐世保市が2009年1月29日、第3回目となる佐世保新美術館整備基本構想検討委員会(委員長・菊森淳文ながさき地域政策研究所調査研究部長、10人)会合を開き、「アートでつながり、広がるひとづくり・まちづくり」とする新美術館の基本理念をまとめ提出した。西日本新聞によると、市は全国巡回展を開催するには、新美術館の延べ床面積は最低でも4000‐5000平方メートルが必要とした上で「展示」「教育普及」「利用者サービス」など8項目の事業活動案を提示したとのこと。委員からは「抽象的で佐世保らしさが見えない」「すべてを実現するには、巨額の予算が必要で不可能」との意見が相次ぎ、継続協議することになったと報じられている。

ネタ元:西日本新聞

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「子どもたちが映画監督になる日」を開催...せんだいメディアテーク

2月7日(土)、せんだいメディアテークで映像教育をテーマにしたトークセッションが開催されます。

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クリエイティブ・カフェ仙台「子どもたちが映画監督になる日」

生まれながらにしてデジタルビデオとパソコンに囲まれた現代の子どもたちは、
大人たちの想像以上に映像に対して敏感、そして柔軟です。
子どもたちの感性や表現力を身近にあるメディアを使って育むことができるのか?
現場で奮闘するみなさんをゲストに迎え、映像を使った先進的な活動などについて語り合います。

ゲスト/
土肥悦子氏((有)シネモンド代表 金沢コミュニティシネマ幹事)
椋尾 倫己氏(flipmook)
横山 美喜子氏(トコトン実行委員会)

司会進行/小川 直人(せんだいメディアテーク )
日:2009年2月7日(土)
時間:14:00〜
会場:せんだいメディアテーク スタジオa+ラウンジ
入場方法:参加料無料
※要事前電話申し込み(1/8から)
先着順。定員になり次第締め切りとなります。
※定員 40名
問い合わせ:仙台市市民文化事業団事業課
TEL 022-301-7405(平日9:00〜17:00)

仙台市市民文化事業団HP

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クリスマスのイベント

ヴィルヘルム・ハンマースホイ展
国立西洋美術館

国立西洋美術館で行われていたヴィルヘルム・ハンマースホイ展を見に行った。
クリスマス前ということもあり、ツリーを飾り付ける企画が行われており、
賑わっていたようであった。
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英国美術の現在史:ターナー賞の歩み展

英国美術の現在史:ターナー賞の歩み展
2008年4月25日〜7月13日
森美術館

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文句なしに刺激的。

 デミアン・ハーストの作品に引かれ、英国美術の現在史:ターナー賞の歩み展を観に行った。ハーストの作品とは、まっ二つにされた牛がホルマリン漬けにされている例の「衝撃的な作品」<母と子、分断されて>である。私にとっては長らく実物を観たかった作品の一つで、ようやくの対面となった。実際に対峙してみると、図版で観ていた印象とはまるで異なり、衝撃的であるとかグロテスクであるという表現は相応しくなかった。むしろ静謐な雰囲気に包まれているといっていい。そう感じたのは牛の断面が極めて丁寧に処理されていたことも大きいだろう。「生物を切る」という行為は料理のため日常的に行われている。ただ、文脈から切り離しそれだけをクローズアップして提示すると普段は隠されていたものが立ち表れてくる、そう頭でのみ理解している時は「グロテスクだろう」と勝手に決めてしまっていた。今回もまた実物を観ることの大切さを改めて教えられた。

 ターナー賞の受賞作だけを集めたこの展覧会が面白くないわけがない。ジリアン・ウェアリングのほとんど動きのない60分の映像作品を展示してしまうのはさすがに無理があるのではと思ったが、来館者は映像と作品解説を見比べながら作品の面白みを確実に掴んでいたようであるし、マーティン・クリードのライトが点いたり消えたりするだけの作品のある部屋では、通り抜けていった家族連れが狙い通りの会話を残していった。「これが作品なんだって」「うそでしょ」と。私のもう一つの目当て、マーク・ウォリンジャーの着ぐるみの熊の映像も楽しめた。そう、どの作品も期待を裏切らない刺激に溢れている。

出展作品の面白さもさることながら、本展は展覧会としての完成度が非常に高い。パネルのタイポグラフィー・デザインや作品(特に映像作品)の配置、モニターに映し出されたスライドショーなど隙がない。とくに章ごとに壁に据え付けられたモニターが映し出すスライドショーはデザイン的にも恰好がよく、その年の候補作品を順に観ることができる仕掛けである。ただ、来館者の多くは情報が時間差で表れてくるスライドショーよりも一度に把握しきれる文章のほうが読みやすいとみえる。しばし観察していると、スライドショーには一瞬目を向けるもののモニターよりも普通のパネルを見ている時間のほうが長いようであった。

この他、オーディオ・ガイドも無料で借りることができる。普段は借りない私も試しに使わせてもらったが、その内容の良さに驚いた。個々の作品解説というよりも、作品に即してターナー賞の歴史を辿るという構成で、その年の授賞式のエピソードなどトリビア的な内容が充実感を高める。機会があればもう一度見ようと思う。

英国美術の現在史:ターナー賞の歩み展HP

英国美術の現在史ターナー賞の歩み

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ルーヴル美術館展 フランス宮廷の美

ルーヴル美術館展 フランス宮廷の美
2008年4月26日〜7月6日
神戸市立博物館

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神戸市立博物館でルーヴル美術館展が始まった。「ルーヴル」の名を冠して、人が来ない訳がない。覚悟の上で週末の午後に訪れたところ、案の定結構な人の入りであった。出品されているのは主に工芸の分野で絵画は少ない。

1階ホールには写真を撮るスペースが設けられていた。好評のようで、携帯電話で撮影していく人が後を絶たない。改めていうまでもないが、ミュージアムという「場」は多くの場合、旅行やデートの途中に利用される。であれば、人々が「その場を訪れた」という記憶を残す手助けをするため、何かしら準備をしておくことがミュージアムにとって大事なことである。まさに「情けは人のためならず」だ。「情け」という表現は、人々のためにこそ存在する今日のミュージアムにとって全く相応しくない言葉だが、「ミュージアムに行った」という記憶が人々にしっかりと残ることは、ミュージアムにいつか恩恵をもたらすはずだ。

展示の感想を述べる前に、ミュージアムの「使命」に関する話題をもう一つ。同じく1階ホールに掲げられた「メッセージ」のパネルには次のように書かれていた。ルーヴル美術館館長アンリ・ロワレットの言葉である。

「・・・館の広報用の標語を考えていたとき私たちが重視していたのは、「1793年以来すべての人に開かれている」ということです。この「開かれた場所」という考え方は非常に本質的で、まさに美術館の使命の1つ「できるだけ多くの人に作品を知ってもらうこと」を反映するものなのです。国際化が進む現在、美術館はもはや、ただ作品を見に来る場所にとどまる訳にいきません。美術館はその使命を自らに問いかけ、いかにして出来得ることを広げていくかを考えなければなりません。つまり展覧会によって作品を移動し、パリに来る機会のない人々にも作品を見てもらえることを考えていかねばならないのです。」

ルーヴル美術館はじめ海外の巨大美術館が、近年相次いで分館建設に着手しており、その設置場所は中東にまで及んでいる。ロワレットの言葉もこうした「美術館の世界戦略」という現状をふまえて読まなければならないが、「いかに出来得ることを広げていくか」という姿勢は学ばなければなるまい。

肝心の展示は、出品点数も充実しているし、当時の宮廷の「趣味」がよく伝わってくる内容であった。銀食器と嗅ぎ煙草入れなどの小物が充実し、見所の一つとなっている。なかでも背面が見えるよう展示された≪「枝付き燭台の」あるいは「鑞受けのある」ポプリ入れ一対≫や≪ダイヤモンドを象嵌した飾り武器模様の嗅ぎ煙草入れ≫などがその豪華さゆえか、来館者の足を止めさせていた。

ただキャプション(作品解説パネル)の配置は気になる。展示ケースの上部に設置されたキャプションは、背の低い人や視力の弱い人にとっては見にくいものである。実際、高齢の方は見にくそうにしていた。私も膝を曲げて視線を下げてみたところ、位置によってはライトの反射のせいで字が見えず苦労した。キャプションを上部に設置するというのは混雑を予想しての配置であろうが、子供や高齢者への配慮という点からみれば、問題があるように思う。

その一方で「こどものための鑑賞ガイド」が作成されていた点は評価できる。市立の博物館でこの種のガイドを特別展用にきちんと作成している館はまだ少ないはずだ。実際、なかなかお目にかかる機会がない。内容が充実している分載せられている情報がやや多かったのと、情報の配置にもう少し「まとまり」を持たせたほうが見やすいデザインになった、という点は改善点として挙げられよう。とはいえ、地道な活動がきちんと展開されているということを素直に喜びたい。その館が地域の中でどういう役割を果たしていこうとしているのか、こうした鑑賞ツールの存在からも感じることができるというものだ。

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写真撮影スペース。今は携帯電話での撮影が主流か。

ルーブル美術館展HP(朝日新聞社)
神戸市立博物館HP
「ジュニアミュージアム講座」:プログラムも充実している。

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ウルビーノのヴィーナス

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ウルビーノのヴィーナス
古代からルネサンス、美の女神の系譜
2008年3月4日〜5月18日
国立西洋美術館

教科書的な展示内容

 イタリアから名画が来る。そう聞くと一点豪華な展覧会かと思ってしまうが、本展に限っていえばそうではない。美の女神ヴィーナスの古代における図像の在り方及びルネサンス以降の復活と発展の様子を辿るという教科書的な展示内容となっていた。つまり、≪ウルビーノのヴィーナス≫一点に焦点を合わせているのではなく、それも含めてヴィーナスの図像変遷を見せようとしている点が印象に残った。

会場では絵画のみならず、彫像やアクセサリー、調度品などに見られるヴィーナスの図像表現もみることができる。多様な展示品によって空間は、どこかヨーロッパの美術館のような雰囲気もあった。

 会場内に掲示されていたヴィーナスの図像変遷を示すパネルは、情報がよく整理されていて見やすかった。それによると官能性が際立つ≪ウルビーノのヴィーナス≫とは別に、ミケランジェロの下絵を参照した「男性的(哲学的ということらしい)」なヴィーナスの描き方があることがわかる。ポントルモの≪ヴィーナスとキューピッド≫だ。その作品も≪ウルビーノのヴィーナス≫の隣に展示されているのが本展の素晴らしいところ。きちんと構成された展示の中で観ればこそ、対比的に2つの作品を捉えられる。これらは収蔵先が違うのであるが、仮にイタリアで2つの作品が並べて展示されていたとしても、特に説明がなければ、影響関係などどこ吹く風、意識散漫通り過ぎてしまいそうだ。日本で、特別展で、観る意味もここに見出せる。

残念なのはジョルジョーネの描いたヴィーナスが展示されていなかったことである。ジョルジョーネの作品もパネルでは重要な位置付けにあったが、さすがに3点揃えるのは難しかったのだろう。構図を見る限り、企画した学芸員も出展させたかった作品に思えた。

展示室には図録に混じって、作品解説の拡大文字版も置かれている。こうした活動は地味なものだが、教育普及的な観点からみれば軽視できない。教育普及などと生真面目な表現をしなくとも、こうした「ちょっとした気遣い」が必要な人には嬉しいもの。コストも安く済みそうなので、他館でも導入が進むことを期待したい。

西洋美術館ではジュニア・パスポートという名称で小中学生向けの特別展用教育普及ツールを作成している。今回は、誕生・結婚・恋・キューピッド・もっとも美しい女神、のテーマ毎に簡単な解説が付く仕上がりとなっていた。このジュニア・パスポートを持った子供を見かけた人たちが「どこかに置いてないのかな」「便利そうだよね」と会話しているのが聞こえてきた。大人たちにも需要が多そうだが、今のところ配布はされていない。

それにしても上野の山は桜の季節。大変な混み具合を覚悟していたが、外の喧騒に比べれば、館内は落ち着いたものだった。

ウルビーノのヴィーナス 展覧会HP

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