旅行・地域

「人体の不思議展」で一悶着

青森県立美術館への巡回時にももめていた「人体の不思議」展。沖縄では展示の後援を県教委と那覇市が辞退するという事態になっているようだ。

沖縄タイムスによれば、共産党那覇市議団が3月20日から県立博物館・美術館で開催される「人体の不思議展」が本物の遺体を加工して展示するなど「人道上、医療倫理上問題がある」として教育長に後援を取り消すよう申し入れたとのこと。県教育委員会と那覇市は「後援辞退」を決めたそうです。

「子どもたちへの教育効果が本当にあるのかということを慎重に検討したい」との教育長の言が載っていますが、青森の入場者数を見ると展覧会としての人気は高いようです。

沖縄タイムス(リンク切れの際はご容赦ください)

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あいちトリエンナーレ、予算減で苦境

2008年の横浜トリエンナーレに始まり、2009年は越後妻有トリエンナーレ、神戸ビエンナーレ、2010年には「瀬戸内国際芸術祭」と続くが、もう一つ国際的芸術祭として企画されているのが「あいちトリエンナーレ」。そのあいちトリエンナーレが大幅な予算減のため苦境に立たされているとの記事が読売新聞のウェブ版にでていました。それによると「新年度に当初3億2000万円を計上していたが、査定によって1億9000万円まで削減され」たとのこと。それに対し、同トリエンナーレの芸術監督を務める国立国際美術館の館長・建畠哲氏が「芸術でこの地域を活性化したい」と講演会を行い、事業に理解を求めたようです。講演会の開催日は1月26日(月)でした。

ちなみに各政党の意見は次の通り。
自民、公明両県議団:規模などを検討した上で予定通り10年の実施
民主党県議団:延期

YOMIURI ONLINE(アップしてから時間が立つリンク切れになることがあります)

あいちトリエンナーレ2010

それにしても猫も杓子も「芸術祭」という感じの世の中ですが、
「次の一手」をどこが打ってくるのか、のほうが興味をそそられます。


 

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ミレー館好調...山梨県立美術館

1月5日にオープンした山梨県立美術館の展示室「ミレー館」の来館者数が2009年2月1日で1万人を突破したという。08年1月の常設展の来館者数(約 4000人)の2倍以上の数。毎日.jpには、白石和己館長は「予想以上に順調な滑り出し。春の観光シーズンには、いっそうの来館者数を期待できる」との白石和己館長の談が載せられている。

毎日.jp

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「砂の美術館」が観光客増に貢献

鳥取市は「砂の美術館」の入場者数が32万人を越え、約55億円の経済効果が見込めると発表。うち約3000人に行った市のアンケートでは、約7割の2028人が県外から、ま約4割の1308人が「県内に宿泊した」と回答している。

市長の言「通過型観光から滞在型観光へ脱却するために大きな意義があった」。「砂の美術館を除く昨年の鳥取砂丘の入り込み客数は132万人だった。05年は131万人、06年は145万人、07年は138万人で、砂丘のみの観光客数はあまり変動がなく、砂の美術館が入り込み客増加に大きく貢献した。」

山陰中央新報が報じるところによる、同市の発表では「砂像制作費や管理費などを含む七千七百万円の事業費に対し、それを上回る八千六百七十万円の観覧料収入があった」という。市は今秋には第3期を開催する予定。

 

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越後妻有アートトリエンナーレ出展作家、プレ映像を公開

2009年7月26日(日)〜9月13日(日)に開催される「越後妻有アートトリエンナーレ」の出展作家の一人である三田村龍伸さんが自身のHPで出展映像のトレーラーを公開しています。

三田村龍伸HP

 越後妻有アートトリエンナーレHP

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「アート&デザイン」:
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「クリエイティブ・リソース」:
ウェブ上のアーカイブへのリンクです。展覧会・美術教育・デザインを考える上でなんらかの役に立つようなものを選んでいきます。隔月で更新予定。

「ミュージアム」:
これまで本文の下あたりにリンクを貼っていたものをサイドバーにまとめました。そのうちに教育普及事業に特徴のある館をまとめていく予定です。月一回程度の更新を予定。

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街かど美術館

街かど美術館 アート@つちざわ<土澤>advance
岩手県花巻市東和町土澤商店街
2007年10月27日〜11月25日

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「つちざわ」の地力、解放中。

 岩手県花巻市東和町土澤。萬鉄五郎の故郷であるこの地で「街かど美術館」なるアートプロジェクトが行われている。街全体を美術館と見立てるアートプロジェクト自体に目新しさはないが、実際に見学しなければわからないこともある。どのくらいの人が訪れているのか、地元の反応はどうか、そもそも作品は面白いのか。まあ大した事はないだろう、そう高を括っていた。だが、現地に着いた瞬間それが見当違いであることに気がついた。人が多い。活気がある。期待が一気に膨らんだ。

 「街かど美術館 アート@つちざわ<土澤>」は2005年に始まり、今年で3年目を迎える。正確にいえば、2年目の続きと捉えるべきか。というのも、今回の出展作家は昨年の参加作家の中から選ばれた精鋭4人であり、今後は、誰もが自由に参加できる「街かど美術館」が1年目、今回同様の選抜形式で行われる「街かど美術館advance」が2年目、と2年サイクルの運営方針が打ち出されているからである。ビエンナーレやトリエンナーレと異なるこの2年サイクルは、地域住民や美術制作愛好家が「作家」として参加できる余地を残しつつ、アートプロジェクトとしての質も明確にしようという試みであろう。なるほど工夫したものだ。

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まずは萬鉄五郎記念美術館から見学。萬の画業の中でめぼしい作品は東京国立近代美術館や岩手県立美術館などに収蔵されていることもあり、やはり観るべき作品は少なかった。ただ解説パネルに萬の生涯のトピックを描いたイラストが載せられており、これはなかなか面白かった。なお同美術館内に今回の「街かど美術館」の出展作家、渡辺豊重の作品が多数設置されていたが印象は薄い。私としては他の3人の仕事に惹かれた。

 沢村澄子の作品は書。カフェや洒落た居酒屋の壁が良く似合いそうな作品で、室内装飾としても魅力的だ。異彩を放っていたのが鎌田紀子である。彼女の作品は「キモカワイイ」と表現される人形たち。人形本体の魅力もさることながら、彼女はそれが置かれる「場」の雰囲気を捕まえるのが上手い。銭湯での展示が良い例だろう。不特定多数の人間が裸で行き交った銭湯は、いわば日常にある非日常。かつての利用者たちが銭湯に残した情念すら人形に宿るかのようなインスタレーションが出来上がっている。

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沢村澄子の作品。
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鎌田紀子の作品。

 そして松本秋則。その名前はすっかり忘れてしまっていたが、彼のサウンド・オブジェを前にして、以前読んだ本に似たような作品が紹介されていたことを思い出した。2004年に神奈川県立近代美術館で行われた「きょうの はやまに みみをすます」という教育普及プログラムについて書かれた本だったが、帰って調べてみるとやはり彼の作品を使ったものだった。実際に彼の作品を前にすると、このサウンド・オブジェを使おうと決めた教育普及担当者の選択も納得がいく。実に心地のよい音色がする作品で、動きの面白さもある。その集大成が「森永ミルクセンター奥の倉庫」をまるまる使ったインスタレーション。幻想的な空間の演出が訪れる者を魅了する。松本は各所で素晴らしい表現をみせてくれた。

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ミルクセンター奥の倉庫。

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倉庫内、松本のインスタレーション1。

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倉庫内、松本のインスタレーション2。

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他の場所にある松本の作品。

 総じて、「街かど美術館」advanceは、遠方から訪れた者の期待をもしっかりと受け止めるだけの質の高い作品で彩られていた。イベントとしては間違いなく成功であろう。ただアートプロジェクトとしての成否が問われるのはまだ先のこと。現実には過疎が進んでいるようだ。常に行われているわけではないアートプロジェクトは、美術館と異なり集客効果の持続性に弱さがある。とはいえ、「つちざわ」には様々な方向性をもったエネルギーが集まっていた。「つちざわ」に変化を起こそうと尽力する者、作家として「つちざわ」と向き合う者、変化のうねりに引き寄せられる観客、その変化を記述し研究しようとする者などなど。これらのエネルギーは着実に今後の「つちざわ」の変化の糧となるだろう。それぞれの思惑が交差する「つちざわ」から、今後も目が離せない。


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金刀比羅宮 書院の美

金刀比羅宮 書院の美 
応挙・若沖・岩岱から田窪まで
2007年10月1日〜12月2日
2007年12月29日〜2008年1月31日
金刀比羅宮(香川県)

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デザイナー若沖、圧巻の奥書院

 「こんぴらさん」の愛称で親しまれている金刀比羅宮。現在、通常非公開の奥書院が公開されている。『金刀比羅宮 書院の美』、この展覧会は今夏、東京芸術大学大学美術館で開催されていたのだが見逃していたもの。東京の美術館ではなく、本家本元で見ることになろうとは思いもしなかった。金刀比羅宮は展示品が本来そこにあった場所であり、ホワイトキューブでは味わえない「何か」が生まれるはずだ。期待が高まる。

展覧会の体裁としては、表書院、奥書院、白書院、高橋由一館、宝物館の全五会場。五会場全てに入れる共通券を買うと、なんと一般で2000円(学生800円)もかかる。高い、かなり強気の価格設定だ。書院共通券だと1200円なので、多くの人にとってはそれで十分ということになるだろう。

円山応挙作の表書院障壁画は、四面がひとつながりの景色として描かれており、これぞ日本の襖絵という印象である。展覧会のポスターにも使われている水を飲む虎たちは、虎というよりは猫に近い。実にかわいらしい姿である。当時、実物の虎を目にする機会はほとんどなかったわけだし、身近にいる猫からイメージをふくらませたのだろう。それでも私見の限りでは、当時の他の虎図と比べて応挙の虎は上手である。

まあまあという印象の表書院に比べて、伊藤若沖の描いた奥書院は圧巻だった。<花丸図>においては余白の美という考えを捨てたのではないかと受け取れる表現をみせている。襖全面に規則正しく配列された花々は、咲き乱れるというよりも図案化された装飾的な花であり、植物標本のようですらある。明らかに野にある花を描いているのではない。枝振りや花弁の位置など、巧妙にデザインされた花は今見ても全く古さを感じさせない。実に耐久力のあるデザインだ。応挙はじめ当時の画家たちが障壁画に物語のある景色を描いたのに対して、若沖は全く異なるアプローチを採っていたことがわかる。奥書院を観るだけで、この展覧会を観てよかった、そう思える空間であった。翻って考えてみるに、東京でこれを観ていたらどんな感じだったのだろうという疑問が生じた。この空間がいかに再現されていたのか、見逃したのが悔やまれた。

なお、この展覧会はパリのギメ東洋美術館にも巡回することになっている。若沖の障壁画にフランスの観客がどのような反応を示すのか、興味は尽きない。アール・ヌーボーに親しんでいる者なら嫌いではないと思うが・・・。

田窪恭治が制作中の白書院障壁画については、未完成ということもありなるべくコメントは差し控えたい。一点だけ批判的なことを述べるとすれば、壁面に設置された有田焼の青と白の陶板は、書院の雰囲気に全くそぐわなかったという点である。
壁画に期待したい。


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ミュゼログ(museum+blog)?

ミュゼログ(museum+blog)?  
A Prospectus of Muselog
Update 2007 06 08

ミュゼログ(museum+blog)は、ミュージアム(博物館や美術館)についてのブログです。ミュージアムの教育普及事業に関心をもつ筆者が教育普及事業や展示デザインに注目して展覧会の感想を綴っています。どんな展覧会に行き、何が記憶に残ったか、は書き留めておかないと次第に忘れてしまうもの。筆を進めていくうちに、一年間にいくつ展覧会に足を運んだかも記録されるはず。

またミュゼログは筆者にとっての記憶と記録のための場であると同時に、展覧会の感想を「収集」する場でありたいと考えています。東北で催される展覧会に関していえば、展覧会の感想は個々のブログに散発的に載せられていることが多く、感想や評価が「一カ所」にまとめられることはありません。ミュゼログ(museum+blog)は来館者にとってはコメントやトラックバックを通じて展覧会の感想を自由に書き込める場所として、ミュージアムにとっては展覧会に対する生の意見を知ることができる場所として、機能することを目指しています。

ミュゼログはミュージアムと来館者の「対話」の場を創出します。

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