« 図書館特集:『近代建築』4月号01 | トップページ | 液晶絵画still/motion »

図書館特集:『近代建築』4月号02

図書館特集:『近代建築』4月号02

Photo

 前回に引き続き、『近代建築』4月号が勉強になったという話です。今回は長崎市立図書館運営統括責任者、小川俊彦氏の稿「管理者として見た望ましい図書館建築」について。小川氏は建物の大きさはどのように決めるべきか、使いやすい図書館とはどんなものか、運営する上で建設計画から気をつけるべきことはなにか、をわかりやすく語っておられますが、「使いやすい図書館」について書かれた箇所が図書館に限らず広く文化施設に当てはまる内容でしたので紹介したいと思います。

「座れる、しゃべれる、読書が楽しめるという空間が用意できれば、それも街中にあり、中で利用している人たちが見える図書館であったりすれば、そこは間違いなく集合場所になり、待ち合わせの場所になってくる。本があるところ、情報のあるところ、が図書館であるが、同じように人が集まってくるところ、が図書館でなくてはいけない。」

 これを読んだとき、私の頭をすぐさまよぎったのは金沢21世紀美術館でした。SANAAが作り出した総ガラス壁の開放的な空間は、まさに小川氏のいう図書館像と合致するものでしょう。彼はさらに、建物の外観だけでなく内部においても「開放感」が肝要と考えています。

「図書館に一歩入ったとき、館内が見渡せるというのは、利用者に安心感を与えてくれるのである。先が見えない、働いている職員も見えないでは、入ってよいものか、勝手に歩き回ってよいのか、どこに何があるのかがわからなかったなら、少し気の弱い人、子供やお年寄りなども図書館は近づきにくいものになってしまう。」

 そのため「気軽にものを尋ねられる職員を配置する必要がある」とのこと。そういえば、前回の植松氏の頁にスウェーデン、マルメ市立図書館のインフォメーション・デスクの様子を映した写真がのっていましたっけ。説明によると「職員が立って待機していることで声をかけやすく、利用者と職員が横に並んでパソコンをみられる」とあります。なるほどインフォメーション・デスクも「開かれた」形状をしていて、よくあるカウンターのように、こちら側とあちら側を隔ててはいないのが印象的です。
 少し脱線してしまいましたが、小川氏の考える「使いやすい図書館」とは要するに「親しみやすい図書館」とほぼ同義といっても差し支えなさそうです。書架の高さは1段30センチとして5段までが望ましいというのも、それなら小柄な人でも手が届き、目の悪い人でも書名が読み取れる高さということ。理にかなっています。ちなみに児童の書架は絵本なら3段、読み物なら4段とする図書館が多いそうです。
 この記事を読んで最後に気になったのは、美術館のいわゆる「美術図書室」はどうだろうかということでした。利用者にとって「親しみやすい」空間を提供できているでしょうか。

|

« 図書館特集:『近代建築』4月号01 | トップページ | 液晶絵画still/motion »

図書館」カテゴリの記事

文化・芸術」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

美術図書室」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/408077/21249860

この記事へのトラックバック一覧です: 図書館特集:『近代建築』4月号02:

« 図書館特集:『近代建築』4月号01 | トップページ | 液晶絵画still/motion »