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図書館特集:『近代建築』4月号01

図書館特集:『近代建築』4月号01

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いまさらな話題ですが、近代建築社が発行する雑誌『近代建築』の4月号で図書館特集が組まれています。建築雑誌なので建物の写真がメインですが、筑波大学付属図書館長植松貞夫の「これからの図書館像とそれを実現する図書館建築」という記事が勉強になりました。

 植松氏は、図書館は現在、紙媒体とデジタルコンテンツ双方を提供する「ハイブリッド・ライブラリー」の状態にあり、その状態は今後も長く続くと予想していますが、「ハイブリッド・ライブラリー」という現状において、利用者は目的の資料・情報を探す際、印刷物には目録、デジタル・コンテンツにはメタデータ、そしてネットワーク上のものは検索エンジン、とそれぞれ使い分けなければならない不便があり、資源リンキングシステムを組み込んだ図書館ポータルの開発が急務であると主張しています。

 また植松氏は大学図書館の2大機能である教育と研究支援のうち、研究支援に関わるものは非来館型のサービスへと既に移行しており、図書館サービスの場である建築は、学部学生への教育支援を目的にすべきと捉えています。考えてみれば、私達が論文を探す際にはもっぱらウェブ上の検索サービス(GeNii等)が主流になっていますし、専門化すればするほど図書館の蔵書では対応しきれないものが多くあります。その意味で「場所」としての大学図書館における研究支援は、各学科の基礎となる重要文献を押さえる程度(すなわち教育支援)へと緩やかに移行していくのかもしれません。

もう一点なるほどと感じたのは、大学の地域社会への貢献が不可避となった今日、大学図書館は何をするべきかという点です。一つは学外者の利用を念頭においた館内サインの充実であり、もう一つは館内セキュリティへの配慮。どちらもこれまでの大学図書館が見逃してきて部分ではないでしょうか。社会に開かれた大学が求められている以上、その主要な窓口となる図書館の館内サインもしっかりとデザインし、使い勝手を高めておく必要があるのだろうと感じます。


ちなみに植松氏が館長を務める筑波大学付属図書館は、3月に大学図書館としては初めてスターバックスを導入し話題をよびました。この論考でも「カフェや作品発表の場を設けるなど特段の目的をもたなくても来館したくなるような雰囲気をもつ必要がある」と主張しておられます。

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