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Water展

Water展
2007年10月5日〜2008年1月14日
21_21デザインサイト

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素晴らしきデザインの力。

 ミッドタウンの端にある21_21デザインサイトで「水」をテーマにした一風変わった展覧会が行われている。「明治おいしい牛乳」などのデザインを手がける佐藤卓がディレクションを担当しているが、そのデザインの行き届く範囲が実に素晴らしい。解説文がなくとも展示とどう向き合えばよいかわかるのである。

もちろん展示空間も極めてデザイン・コンシャスな作りであるが、それだけで来館者が視覚的に展示と接することができる環境が生まれるわけではない。それは的確な「サイン」の成せる技である。普通、展覧会にいくとまず入り口で挨拶文を読み、部屋毎の展示パネルに目をやり、作品に付されているキャプションを読むことになるが、ここではそれは無用である。そのかわり、壁面に控えめに配された人影をみればよい。

つまり壁面の人影は「さくら」。会場を訪れた者に対して、終始無言で展示品をどう動かしたらよいか実演してくれているのだ。水瓶を覗き込めばよいときは水瓶を覗き込む人影が、電話をとるように機器を耳に当てればよいときは機器を耳に当てている人影が、すでにそこにいる。

もちろん展示内容も悪くない。「水」という存在に対して十分に啓発的であるが、それを感じさせない面白さがある。超撥水加工の皿の上にスポイトで数滴水を垂らす、そしてそれを揺すってみる。ただそれだけのことが面白いのは、水の動きが普段見ている水の動きではないからだ。極めて良質で美しいハンズ・オン展示の数々である。

また些細なことだが、皿からこぼれてしまった水を掃除するモップも美しく配置されている。そういうところ一つ一つに気が配ってあるような展覧会にはなかなかお目にかかれない。素晴らしきデザインの力。

ケータイを積極的に使おうという視点が入っていることも本展の特筆すべき点である。これまで展覧会でのケータイ活用は混雑状況を知らせる程度の印象しかなかったが、本展ではまち全体を生きた博物館として歩いてみようという「ユビキタス・ミュージアム」なるプロジェクトとのコラボレーションにより専用サイトが準備され、会場の展示と連動した企画がウェブ上でも動いている。企画を見る限りプロジェクト自体はまだ発展途上の印象だが、今後こうしたケータイの使い方が増えていくことを予感させる。

視覚による誘導とケータイとの連動。これらのデザイン・センスが教育普及事業において重要となる、そう確信させられた展覧会であった。

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