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閑話休題07

Bookreview01_2

閑話休題07

『美術検定 1・2級受験のための美術実践講座キーワード
これだけは知っておきたい88』美術出版社,2007年.

少なくとも、このくらいは

 以前、このブログで美術検定について批判的なコメントを書いた。今回は、それに関連した話。少し前になるが、その美術検定の受験参考書が登場したのである。なかなか役に立ちそうな本だったので紹介したい。

 この本はアートナビゲーター検定の過去問集ではなく、関連知識のキーワード辞典となっている。そのため、美術検定を受ける者以外にも広く役立つ内容になっているのが嬉しいところ。ミュージアムで働きたいと思い始めた学生や、アートプロジェクト等に興味をもった人がまず参照するのに適している。一言でいうと、「少なくとも、このくらいは押さえておきたい」という知識が集められている本である。

 88のキーワード毎に大まかな知識を与えることが目的となっているので、興味をもったら巻末の参考文献リストを基に、さらに理解を深めていく必要がある。ただし、その参考文献リストが物足りない。過去の問題作成者から提出してもらったリストを基にしているようだが、博物館教育と美術館建築に関する書籍がとくに手薄な印象。もっとも芋づる式に読みあさっていけば、いずれは辿り着くのかもしれないが・・・。

 文中でとくに押さえておきたいのが、現状での課題や論者の見解が書かれた箇所である。例えば、「公募展」の項では、作品を美的な判断で批判するだけでなく、生涯学習という視点から捉え直してみる必要があると論じられている。こういう部分が随所に見られるのが本書の良いところである。おそらく検定の際には、これらの現状分析と見解を暗記しておくと点がとれる仕組みになっているのであろうが、こういう本が一冊あると助かるもの。検定制度の是非はともかく、便利に使えるありがたい副産物が出てきたことを素直に喜んでもいいだろう。

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