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閑話休題08

閑話休題08
映画『スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー』

 グッゲンハイム・ビルバオ(スペイン)を建てたことで知られるフランク・O・ゲーリー。本作は、彼との対話によって構成されたドキュメンタリーである。監督は友人であるシドニー・ポラック。

ゲーリーの手によるグッゲンハイム・ビルバオは「彫刻的建築」と評される。銀色の船とも塔ともつかぬ建物は、どのような発想を経たのであろう。映画を通して、その一端を知ることができるのは幸運だ。ビルバオを訪れたことはないのが悔やまれる。ゲーリーの活動は今や建築に留まらない。家具や宝飾デザインもこなす。本作のスポンサーがティファニーであるのも、コレクションを展開している関係から。

性格の問題もあり成功までには苦難があったようだが、良いカウンセラーとの出会いが彼を徐々に変えていったことがわかる。個性的な美術館を建てた者は家もまた個性的である。造形は不規則であり多面的だが、光が良く入る。

題名にもあるように、彼の「スケッチ」は極めて特徴的であり、本作でも見所の一つであることは間違いない。誰にも判別できそうもない、スピード感のある入り組んだ線。出来上がる建物とは一見まるで別物だ。しかしフランク・ゲーリーという建築家にとって、それらは確かにつながっている。彼自身の話によると、小さい頃彼のスケッチを見た占い師が有名な建築家になると予言したというほどだ。

なんといっても、彼がいかに自分の建てたものに対して愛情を注いでいるかが伝わってくるのがいい。言葉だけでなく、その表情、仕草からも。派手さがない、静かな映画であった。

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