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千總コレクション 京の優雅

千總コレクション 京の優雅
〜小袖と屏風〜
2007年9月14日〜10月21日
仙台市博物館

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京都の美、日本の美

 創業450年、京の染織業の老舗千總のコレクションから成る展覧会が始まった。友禅染の小袖ではさほど興味が沸かないかと思っていたが、そんなことは杞憂であった。素晴らしく、美しい。展示室に入って、まずその色彩とデザインの豊かさに圧倒された。友禅染裂の展示である。意匠には美しさだけでなく、遊び心もみられる。「座敷尽し」といって、部屋(座敷)を連ねて模様にしているものなどが良い例だ。

おそらく私の人生の中で小袖など着る機会はないだろうが、見ているうちにデザインの好き嫌いがはっきりしてくる。自然と「着る」ことを前提に見ている自分がいる。服とはそういうものだろう。その結果、自分は全面にデザインがある柄物は好きではなく、余白を感じるあまりうるさくないデザインが好みのようだ。そして動物の図案よりは植物のほうが良い。少し前に某局で美術館の楽しみ方を取り上げた番組があった。そこでは「買うつもり」での鑑賞を提案していたが、本展ではさしずめ「着るつもり」での鑑賞が面白い。これは女性のほうがより楽しめるのではないだろうか。

屏風始め、絵画が充実していたのもよかった。京都の大店は祇園祭りの際に店先に屏風を飾る風習があり、昔は贅を競ったとされる。有名なところでは円山応挙だろう。また友禅の下絵も多く観ることができる。訪れる前は着物に対して絵画が弱いのかと思っていた。たしかに実際の点数では小袖が多いが、印象では半々といったところだ。

綺麗なだけでなく面白い絵が一点、記憶に残っている。それは西洋の寓意画ないしヴァニタスを思わせる作品で、片方に頭蓋骨と月、もう片方に舞妓に桜を描いたものである。海外の美術館を訪れるとこの種の図案が宗教画の扉絵として描かれているのをよく見かける。日本に昔からこの2つを対として描く伝統があったかどうか、真相はわからないが、もしかしたら西洋の銅版画などから想を得たのかもしれない。時代が明治初期だとすればその可能性もあるだろう。

さて、この展覧会にはぜひ着物で訪れたい。着物割引が設定されていて200円安くなる。会場にも着物のお客様がお見えであった。着物を着る手間を考えると割引額が安いかどうかはわからないが、展覧会に花を添えることは間違いない。

今回の特別展にあわせて、プレイミュージアムでは紙のパタパタを作る企画が催されている。屏風の構造との関係からだろう。どこからか「懐かしい」という声も聞こえてきた。人気が出そうな企画である。

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