遊びの経路
遊びの経路
国際芸術センター青森
春のアーティスト・イン・レジデンス展
2007年6月16日〜7月15日
国際芸術センター青森

四者四様の見所あり。
「遊びの経路」、これだけ聞くと「遊び」がテーマなのかと思う。だが、この展覧会の主眼は後ろのほう、つまり「経路」にある。本展でいう「経路」とは、単に通過する道筋やたどるべき手順としてではなく、道を進んでいく過程そのものと理解されている。抜粋するとこうだ。
「経路」は、言い換えれば、あらかじめ決まった道筋をたどるものではなく、道筋を進む過程そのものといえます。それは世界を確認し、認識していく課程であり、思考の過程そのものでもあります。未知数の振幅あるこの過程を、今回「遊びの経路」とよぶことにしました。
展覧会では、パラモデル、小山田徹、アイガルス・ビクシェ、カミーユ・グージョンの四人が、それぞれに彼らの「経路」を表現してみせたことになるが、展覧会のコンセプトとしての「経路」には曖昧さも感じてしまう。つまり、あらゆる作品が作家の「経路」の一部と位置づけられうる以上、「何でもあり」の展覧会なのではという疑問も残った。
作品はそれぞれに見所があった。まずアイガルス・ビクシェはスチロール素材のパイプを用いて、有機的な造形を作り出している。まるで毛細血管のようだ。また彼は祖国ラトヴィアと青森をPCカメラでつなぐ作品も出していた。試みとしては面白いが、説明してくれる人がいなかったこともあり、残念ながらいまいち狙いが伝わりにくかったように思う。カミーユ・グージョンはねぶたの制作を参考にしたと思われる、<水獣アオモリ>なる立体作品を展示。この獣の体の一部は原爆のキノコ雲の写真で出来ている。同じ原子力大国から来た作家には、思うところがあったのだろう。映像作品もあったが、こちらはあったという印象だけ。

子供向け、手書きの作品解説。
どちらかといえば、日本人の作品のほうに存在感があった。小山田徹の実測図を用いた作品群は見ていて飽きない。少年時代の記憶の扉を開くような作品であった。一方のパラモデルは、建物と中庭一杯にプラレールで絵を描いた。訪れた瞬間に「おっ」と思うインスタレーション。小山田の作品が近寄ってじっくりと眺めるのと好対照を成している。どちらも展覧会の中でその存在を十分に主張していた。

会場風景。パラモデルのインスタレーション。

国際芸術センター青森は山の裾野にあり、自然豊かな反面、レジデンス施設としてはやや不便な立地といえる。しかし、ここ何年かの活動でしっかりとその実績を残してきた。青森県立美術館とともに、これからの青森における芸術創造の基点となることを期待したい。
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コメント
いつも興味深く読ませてもらっている、一読者です。体験学習BOOKの内容をご紹介いただけませんか?
投稿: ぷくぷく | 2007年8月 9日 (木) 03時46分
ぷくぷくさん、ありがとうございます。近いうちに簡単な内容紹介をさせていただきたいと思います。
投稿: クジタツヤ | 2007年8月10日 (金) 14時52分