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青葉縁日2

青葉縁日2
おもしろ改造工場の夏祭り
2007年7月22日〜8月27日
仙台メディアテーク
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縁日という言葉を聞いて、人は何を思うだろう。夏の夜を彩る花火、友達や家族との楽しい思い出、恋人との幸せな、あるいはせつない時間だろうか。縁日には、人をわくわくさせる力がある。そんな魅力的な言葉を与えられたのが、このアート・フェスティバルである。

「こどもから大人まで体験しながらアートを楽しむ」のが眼目であるが、そこには縁日という甘美な言葉では捉えきれない、しっかりとしたテーマがある。二年目を迎える今年のテーマは、「ベンディング」。さて、「ベンディング」とは何か。

電気製品の電子回路を改造して新しい機能を与える行為をサーキット・ベンディングという。つまり、今あるものに手を加え、新しい価値や機能を作り出すことだ。青葉縁日2は、その意味を拡大し、広く日常にあふれるモノや情報を「ベンディング」していこうという趣旨で行われている。

このテーマを最も体現していたのが、エキソニモのインスタレーション<Object B vs>である。
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彼らは既成のシューティングゲームを「ベンディング」した。既存のPCパーツや雑貨を怪しげに組み合わせた「機械」の動かすキャラクターとプレイヤー(来館者)が対戦する、という形式を取る本作品には、しっかりとした世界観がみえる。また参加可能な体験型プログラムなのでアート・フェスティバルとも相性がいい。作家の力量が光っていた。

その一方で、縁日らしさを盛り上げているのがタノタイガの作品。縁日に付きもののお面に落書きをするという趣向で、イベントが進むごとに景観の変化も期待できる。デスマスクが並んでいるようでわりと気持ち悪いが、祭り気分を盛り上げる配慮があるプログラムだろうか。
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ずらりと並んだお面。他に縁日風のレイアウトもある。

陰の方にひっそりと置かれているものだが、今回一番気に入ったのが<断末魔ウス>という作品。会場では不覚にも作家の名前を記憶し忘れたが、後で調べてみると前述のエキソニモらしい。パソコンのマウスが最後に残す軌跡に焦点を当てたもので、モニターはマウスポインタの軌跡と、それを表示しているマウスが今まさに壊されんとする映像を同時に写し出している。パソコンのマウスを金槌で叩き壊したり、水没させたり、ドリルで穴を空けたりと、まあ惨い拷問の数々である。モニターの横には、そのマウスたちの「死骸」もしっかり展示されている・・・。
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<断末魔ウス>の映像。マウス、水没中。
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全体として、誰もが楽しめる仕掛けに溢れており、縁日の名に恥じることのない展覧会であった。ただ、縁日にあって青葉縁日に足りないものもある。それは、各作品に付き添っているスタッフたちの活気。食べ物の屋台であれば、臭いで人を引き寄せることもできようが、青葉縁日には臭いがない。スタッフの対応がもう少し景気のよいものであったなら、そう、もっとお祭り的であったなら・・・。きっと子供も大人も楽しい夏の一時を記憶に残してくれることだろう。

会場風景
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 昨日は大学の科目試験(仙台でも受けられます)。1科目だったので午前中に終わり、 [続きを読む]

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