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パルマ展 01

パルマ イタリア美術、もう一つの都 01
2007年5月29日〜8月26日
国立西洋美術館
R0013435
パルマといえば、サッカーの中田英寿選手が一時期在籍していたこともあり、日本での知名度もまずまずだろう。もちろんパルメザンチーズでも有名だ。本展は、16世紀から17世紀頃のパルマ美術を紹介する展覧会であり、約110点の作品が展示されている。

絵画のみの展示かと思いきや、始まりは時祷書だった。書籍としての完成度に思わず目を奪われる。冒頭の絵画で印象的なのは、チーマ・ダ・コネリアーノ<眠れるエンデュミオン>であろう。静かに降りてくる月(ディアナ)が物語を演出している。後ほどショップでこの絵のクリアファイルを見つけた。珍しいL版写真サイズだったこともあり迷わず購入。
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続いてコレッジョとパルミジャニーノを中心とするコーナー。コレッジョやパルミジャニーノは、美術史ではおなじみの顔ぶれだが、一般的な知名度ではダ・ヴィンチはじめ他の画家に押されがちだろう。副題に「イタリア美術、もう一つの都」とあるのはそのためかと邪推しつつ、どことなく彫刻を意識させるパルミジャニーノの作品<聖チェチリア>を眺める。圧巻の大きさ。

ここで少し気になることが起きた。章構成と実際の順序が違うのである。次は第3章のはずだが、いきなり第6章が先に来ていた。展示室の都合だろうが、一瞬どこか見逃したのではないかと不安にさせられた。なるべくなら順序通りにしてほしい。

さて、小さいながら印象深い肖像画も充実しており、宗教画中心の展覧会という当初の予想をいい意味で裏切ってくれた。パルマを支配していたファルネーゼ家のものである。中でも作品として光っていたのは、ジローラモ・ベドリ・マッツォーラの<アレッサンドロ・ファルネーゼを抱擁するパルマ>である。擬人化されたパルマの都市がまだ幼きアレッサンドロを抱擁する、あるいは寄り添うような構図で描かれている。秀逸な構図もさることながら、甲冑、装飾品といった細部描写にまで画家の意識が行き渡っている優品だ。
Parma01ジローラモ・ベドリ・マッツォーラ<アレッサンドロ・ファルネーゼを抱擁するパルマ>パルマ国立美術館、1556年.

さて、地下3階まで下がると会場の雰囲気が一変する。まるで海外の美術館に来たような、赤が美しい展示壁。後半のバロックの画家たちは名を知らぬ者が多かったが、それぞれ持ち味があるいい作品を描いていた。カラッチの<戴冠の聖母>は万人にわかりやすい美しさがあり、「かわいい」と言う表現がしっくり来る。またジョルジュ・ド・ラトゥールを思わせる光の描き方をする者もおり、知らないながらもその表現を楽しめた。素直にいい展覧会だったと思える。
次回はパルマ展の教育普及ツールについて。

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